https://news.yahoo.co.jp/pickup/6260373
世界最大級のキリギリスを7種、新種として記載した論文が学術誌「Zootaxa」に発表された。
マダガスカル島でしか見られないこの昆虫は、ボディビルダーのような「上腕」をもち、時に非常に攻撃的になる。どちらもキリギリスとしては意外な特徴だ。
「この虫に近づくと、力強い前肢で指をつかまれて、大顎で噛まれそうになります」と、今回の研究論文の共著者であるジョージ・ベッカローニ氏は話す(同氏は、けがを防ぐため、このキリギリスをつかむときは長いピンセットを使った)。
「ほかのキリギリスでは、こんな防御行動は見たことがありません」
奇妙な同居者
ベッカローニ氏らは、マダガスカルの乾燥林を二度にわたって調査。採集できた標本と、博物館の標本をもとに、これらの新種を同定した。
乾燥林の調査で同氏は、専門であるゴキブリを見つけようと、石の下や樹皮の下といった隠れ場所を探した。すると偶然、体長6センチ以上もあろうかという風変わりなキリギリスを見つけた。
肉食性のキリギリスはゴキブリを食べることもあるだろうが、ここではゴキブリとキリギリスは互いの存在を受け入れているようだ、とベッカローニ氏は述べている。「このような隠れ場所はわずかしかありません。ゴキブリもキリギリスも、日中の厳しい暑さや捕食者から身を守るためにこうした場所を必要としているのでしょう」
生涯の伴侶?
興味深いことに、ベッカローニ氏は何組ものキリギリスのつがいが並んで休んでいるのを発見した。もしかするとこの昆虫は一生添い遂げるのかもしれない、と言う。
「この論文で可能性が示唆された一夫一妻制、つまり長期的なつがいを形成する行動は、私の知る限り、ほかのコオロギやキリギリスでは見られません」と英ダービー大学の昆虫学者、カリム・バヘド氏はメールで回答してくれた。同氏は今回の研究には参加していない。
一夫一妻制をとる昆虫は珍しいが、ほかに例がないわけではない。たとえば、シデムシの一部は一緒に幼虫の世話をする。
隠れ場所の外でもオスがメスについていくのかなど、さらに研究する必要があるという点で、両専門家の意見は一致している。
これほど大きな昆虫が今まで知られていなかったのは不思議に思えるかもしれない。
その理由のひとつは、昆虫学者がこれまで主に目を向けていたのはこの国の熱帯雨林であり、マダガスカルの大半を占める乾燥林ではなかったことである。「これは残念なことです。乾燥林のほうがはるかに変わっていて特別なのですから。にもかかわらず、乾燥林そのものや乾燥林が今直面している大きな脅威について理解している人はほとんどいません」とベッカローニ氏は言う。
「バオバブの木があったり、壮観な多肉植物などが生えていたりと、ここには地球上のどんな場所とも違う生息地があります」
その森林が、木炭を作るための伐採といった人間の活動によって縮小している、とベッカローニ氏は訴える。
「マダガスカルにふりかかる脅威の深刻さを考えれば、そこに生きるすべての種をそれらが絶滅する前に記録することを最優先すべきでしょう」
※すべて虫画像です
新種の色鮮やかな巨大キリギリス、Oncodopus brongniarti。体長6センチ以上に達することもある。
つがいのキリギリス
世界最大級のキリギリスを7種、新種として記載した論文が学術誌「Zootaxa」に発表された。
マダガスカル島でしか見られないこの昆虫は、ボディビルダーのような「上腕」をもち、時に非常に攻撃的になる。どちらもキリギリスとしては意外な特徴だ。
「この虫に近づくと、力強い前肢で指をつかまれて、大顎で噛まれそうになります」と、今回の研究論文の共著者であるジョージ・ベッカローニ氏は話す(同氏は、けがを防ぐため、このキリギリスをつかむときは長いピンセットを使った)。
「ほかのキリギリスでは、こんな防御行動は見たことがありません」
奇妙な同居者
ベッカローニ氏らは、マダガスカルの乾燥林を二度にわたって調査。採集できた標本と、博物館の標本をもとに、これらの新種を同定した。
乾燥林の調査で同氏は、専門であるゴキブリを見つけようと、石の下や樹皮の下といった隠れ場所を探した。すると偶然、体長6センチ以上もあろうかという風変わりなキリギリスを見つけた。
肉食性のキリギリスはゴキブリを食べることもあるだろうが、ここではゴキブリとキリギリスは互いの存在を受け入れているようだ、とベッカローニ氏は述べている。「このような隠れ場所はわずかしかありません。ゴキブリもキリギリスも、日中の厳しい暑さや捕食者から身を守るためにこうした場所を必要としているのでしょう」
生涯の伴侶?
興味深いことに、ベッカローニ氏は何組ものキリギリスのつがいが並んで休んでいるのを発見した。もしかするとこの昆虫は一生添い遂げるのかもしれない、と言う。
「この論文で可能性が示唆された一夫一妻制、つまり長期的なつがいを形成する行動は、私の知る限り、ほかのコオロギやキリギリスでは見られません」と英ダービー大学の昆虫学者、カリム・バヘド氏はメールで回答してくれた。同氏は今回の研究には参加していない。
一夫一妻制をとる昆虫は珍しいが、ほかに例がないわけではない。たとえば、シデムシの一部は一緒に幼虫の世話をする。
隠れ場所の外でもオスがメスについていくのかなど、さらに研究する必要があるという点で、両専門家の意見は一致している。
これほど大きな昆虫が今まで知られていなかったのは不思議に思えるかもしれない。
その理由のひとつは、昆虫学者がこれまで主に目を向けていたのはこの国の熱帯雨林であり、マダガスカルの大半を占める乾燥林ではなかったことである。「これは残念なことです。乾燥林のほうがはるかに変わっていて特別なのですから。にもかかわらず、乾燥林そのものや乾燥林が今直面している大きな脅威について理解している人はほとんどいません」とベッカローニ氏は言う。
「バオバブの木があったり、壮観な多肉植物などが生えていたりと、ここには地球上のどんな場所とも違う生息地があります」
その森林が、木炭を作るための伐採といった人間の活動によって縮小している、とベッカローニ氏は訴える。
「マダガスカルにふりかかる脅威の深刻さを考えれば、そこに生きるすべての種をそれらが絶滅する前に記録することを最優先すべきでしょう」
※すべて虫画像です
新種の色鮮やかな巨大キリギリス、Oncodopus brongniarti。体長6センチ以上に達することもある。
つがいのキリギリス
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